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ナショナリズムという言葉

ナショナリズムという言葉のまじめな話。
実は知らないことばっかりでした。

ナショナリズムには二つの大きな作用があり、文化が共有されると考えられる範囲まで政治的共同体の版図を拡大しようとする作用と政治的共同体の掌握する領域内に存在する複数の文化を支配的な文化に同化しようとする作用がそれである。前者は19世紀の国民主義運動にその例を見て取ることができ、後者の例は「公定ナショナリズム」として幾つかの「国民国家」において見出すことができる。

しばしばナショナリズムはパトリオティズム(愛国心、郷土愛)と混同されるが、郷土(パトリア)への愛情であるパトリオティズムは近代になって初めて登場したナショナリズムよりも遙か以前から存在しており、両者は厳然と峻別される現象である。現在ではネイションがパトリオティズムの対象となる場合が多いが、これはむしろゲルナー、スミス、アンダーソンらが指摘するようにゲマインシャフト的共同体がゲゼルシャフトであるネイションへと再編成されていったのと軌を一にして、各地域ごとに無数に存在した帰属対象としてのパトリアを、ナショナリズムが文化的同化作用によって、ネイションへと帰属対象を集約していった結果として理解される。

こういったネイションの近代性は国家主義の立場からしばしば忘れられたり無視されたりしがちであるが、ネイションとナショナリズムの近代性と作為性については、均質なネイションは近代における社会と産業の必要性から生まれたという点で学問的にはほぼ決着を見ている。ゲルナーとスミスの近代性についての師弟対決はネイションが全くの無から発明されたのか、それとも前近代から何らかの遺産を相続しているのかという点を巡って行われたのであり、古代・中世においてネイションが存在したのかについての論争ではない。結局の所、身分の差が歴然としており越境が困難な社会において、あらゆる社会階層を横断しする共属感情を形成することは不可能とは言わないが極めて困難であり、よしんば成功したとしても、後世引かれる国境線の内側すべてを覆うほどの広がりを持たせる手段を近代以前の社会は欠いていた。しかしこのことはゲルナーやホブズボウムの言うようにネイションとナショナリズムが近代に無から生み出されたことを意味しない。スミスは言う、近代以前に存在した歴史や神話を核にしてネイションは生まれたのだと。スミスは近代以前の身分を横断しなかったり、地理的広がりを持たず、ネイションのような政治単位と成り得なかった共同体を「エトニ」と呼び、あるエトニが周辺のエトニを糾合し、自らを基準に同化していった結果成立したのが「ネイション」であるとした。このスミスの理解は、如何に小規模なゲマインシャフト的集団が広範で雑多なゲゼルシャフトに変じたかという点でアンダーソンと相互に補完しあっており、現在のナショナリズム論の基本的な考えとなっている


引用『ウィキペディア(Wikipedia)
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2007年11月13日 19:10に投稿されたエントリーのページです。

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